いろいろな農法について

有機農法、自然農法、慣行農法、永田農法、炭素循環農法、ＥＭ農法、バイオダイナミック農法、栄養周期農法などなど…
様々な農法があります。

さて、どの農法を選べばよいのでしょうか。

各農法の特徴や定義はネットにたくさん載っています。ですが、どれも良いもののように思えたり、逆に感じたり、知れば知るほど何が良いのかわからなくなってしまいます。

どの農法も原理は同じ
世界中どこに行っても、どんな場所でも土は土、水は水、空気は空気、アメリカでもヨーロッパでも日本でも砂漠でも草原でもかわりません。変わるのは土の構造と気候です。

その土地の何億年もの歴史と気候と生き物が作り出す現在進行形の栽培環境…それは千差万別でありながら、栽培に必要な条件は変わりません。光、水、空気、養分、温度は栽培の五大条件ともいいますが、この５つの必要性はどの場所であっても変わりません。

原理原則や本質的な仕組みは変わらないのです。
それは極言すれば土を利用しない水耕栽培だろうが、サラダ工場であろうが同じなのです。

原理原則を理解した上であれば農法は違えど大きな間違いはしません。

では農法は何でもよいのでしょうか。

どの農法を選ぶかはライフスタイル次第
どれを選ぶか、またはどの農法と農法の間を選ぶかそれはライフスタイルによります。
ここで言うライフスタイルとは自分の生活に「農」をどの程度いれるかということです。

例えば本格的に生業（なりわい）とする場合は生産量と品質をそろえることに少なからず気を配らなければなりませんし、生活の質を上げるために自分の食べる分の何割かを自給するのであれば作る過程にどれだけ自分ができるかが重視されます（感性も含めて）。

一般的には（あくまで、一般的には、です。工夫の仕方で一言では言えません）
自然農法→有機農法（有機JAS規格）→特別栽培農産物→慣行農法→工場栽培
の順で後になるにしたがい、品質がそろい、効率があがってきます。また工業的な管理も可能になってきます。（作物の生理を知り、コントロールすることが大事です）
前になるに従い、より持続可能性と自然の循環を重視するため、自然の循環に従った栽培となります。（次々にうつろう自然の仕組みを観察、勉強が大事です）

農法選びの考え方
まずは一通り農業の基本と原理を理解した後、自分のライフスタイルに合うのがどの農法なのかを考えるという流れをおすすめします。
また、自分の感性に合いそうな農法に出会えば、その農法の実践が可能なライフスタイルを模索するというのもありです。

自然の摂理に外れない前提であれば農法は優劣で考えるのではなく、それぞれメリットとデメリットがあるということを知り、自分の目指すライフスタイルと感性を念頭におき、「農」の奥深さにワクワクしながら楽しみつつ、選んでいきましょう。

スモールファーマーズ/古谷壮弘

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