２．ライフプランを立てる
ある程度、就農や農的暮らしのライフスタイルのイメージが固まってきたら、次はライフプランの立案です。
あなたがイメージするライフスタイルをいつから、どういうステップで実現していくのか？そしてそれに伴う資金はいくら必要か？生活する上で、他に必要な条件や環境は何か（住居や医療、介護、子供の教育など）？ を具体的にプランに落とし込んでいきます。
おそらくこの段階で、あなたは自分自身が何も知らないことに愕然とすると思います。普段から自分や家族の将来設計をしている人は大丈夫ですが、そうでない人は、ぜひこの機会に、見直してください。
また自分の将来設計はイメージできても、農業のことになると、果たして農家ってどれくらい儲かるの？どれくらいの広さの農地がいるんだろう？トラクターはいくらぐらいするの？などなど疑問が山ほどでてくると思います。
どうぞご心配なく。そういう疑問がでてきたら合格です。
農業の世界の情報収集が本格的にできる体制が整ったも同然です。
ここで情報収集のコツをひとつ。
農業関連の情報を収集しようとする場合、何でもかんでもとにかく集めようとすると、業界そのものが非常の多岐にわたり複雑であるため、混乱します。また市町村や地域によっても対応が異なったり、現場との乖離があったり・・・というのは日常茶飯事です。
ですからあくまで自分のライフスタイル、ライフプランに基づいて、それに必要な情報のみを収集するようにしてください。あなたが求めるものが具体的であればあるほど、相手も具体的にアドバイスしてくれます。
行政の担当者も「農地はどうやったら借りられるのですか？」と漠然と聞かれても、一体あなたは誰で、どういう目的で、いつから、どれくらいの広さを借りようとしているのかわからないと話もできません。
ですから、常に自分が目指す農あるライフスタイルをイメージしながら、情報収集をしてください。
順調に情報収集が進み、ライフプランがある程度完成すれば、あなたの農ライフがより具体的に、現実的になったはずです。少しワクワクしてきましたか？
■期限を決める
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理想の農的ライフスタイル実現のために、あなたがすべきことは期限を決めることです。今から何年後に、理想のライフスタイルを実現していたいのか？を決めてください。
すべては決断から始まります。
あなたがその期限を５年後に設定するのか？それとも１０年後なのか？それとも「いつか」かなえばよいのか？
それにより、大きく実現の可否とプランが変わります。
電車で目的地を目指す場合、目的地の到着時刻をまず入力して検索しますよね？そうすれば到着時刻から逆算した出発時刻が表示されます。
考え方はそれと同じです。
あなたが目的地（ゴール）に到着したい時期を明確にしてください。
■必要な資金を計算する
あなたが理想とする農的ライフスタイルを実現したときに、どれくらいの資金が必要かを計算してください。
資金には、「初期投資」と「運転資金」の２種類があります。
「初期投資」・・・新しいライフスタイルへ移行する初期段階で一時的に必要となる資金。たとえば農業機械を買う、ハウス施設を建設する、農具・資材を揃える、引越しする、家を買う（借りる）、などです。自己資金でまかなうのが普通です。この時点で借り入れや補助金に頼るとリスクが大きすぎます。
「運転資金」・・・実際に生活が始まってから継続的に必要になる資金です。生活費と営農費（農業にかかるお金）の２種類があります。
生活費は家族の人数に応じてライフプラン設計をしてください。普段の生活費、子供の教育費、医療費、保険、老後資金など支出項目ごとに計算します。最近はインターネット上でシュミレーションができるサイトがありますので、それを利用しましょう。
営農費は何を栽培するかによって変わります。種苗代、肥料・資材代、光熱費、修繕費、出荷経費など毎年必要な金額を計算します。
ご自身で初期投資と最低でも１年分（できれば３年分）の運転資金を確保してください。
農業は自然と対峙する仕事ですから、あなたの技術力が高く求められます。また実際に資金が手元に入るまでに長い時間がかかりますから、余裕を持っておくことが大切です。また最初は不慣れなことが多く栽培に忙しくなるため、販売に手が回らないこともよくあります。
資金が足りない人は今のうちにしっかり確保しておきましょう。
ちなみに、新規就農時にかかった資金の調査結果によると、用意した自己資金の平均は５２８万円、就農１年目に実際にかかった資金は平均７７４万円というデータもあります。
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もちろんこれはあくまで平均で、いくらでも費用を抑える知恵はありますので、ご安心を。しかし農業はお金がなくても安易にはじめられるものではないということを頭においておいてください。
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